通信規格の概要

次世代通信によるIOTの多様化

普段何気なく使用しているWi-Fiには、世界的に定められている規格が存在します。快適で安全にWi-Fiを使うためには、この規格について理解していることが大切です。そこで今回は、複数あるWi-Fi規格のうち、主流になっているものを紹介します。通信速度や特徴などが違うため、会社でWi-Fiを使用する際にも覚えておきたい知識です。Wi-Fi環境を整備することで業務の効率化を図ることができますので、ぜひこの機会にWi-Fi規格について勉強しましょう。

 

Wi-Fi規格 通信規格 最大伝送速度 周波数帯域 策定時期
Wi-Fi6E IEEE802.11 ax 9.6Gbps 2.4㎓/5㎓/6㎓ 2020年1月
Wi-Fi6 IEEE802.11 ax 9.6Gbps 2.4㎓/5㎓ 2019年10月
Wi-Fi5 IEEE802.11 ac 6.9Gbps 5㎓ 2013年12月
Wi-Fi4 IEEE802.11 n 600Mbps 2.4㎓/5㎓ 2009年9月
Wi-Fi3 IEEE802.11 g 54Mbps 2.4㎓ 2003年6月
Wi-Fi2 IEEE802.11 b 11Mbps 2.4㎓ 1999年10月
Wi-Fi1 IEEE802.11 a 54Mbps 5㎓ 1999年10月

※2016年あたりにIEEE802.11adもありましたが普及が進まず、IEEE802.11axが標準化⇒Wi-Fi6となっています。

通信規格と帯域の関係について

Wi-Fiには通信方式の種類がある。この規格は「IEEE802.11という用語のうしろに「a」や「g」といったアルファベット小文字がつくことで表される。

たくさんあるWi-Fiの規格のうち、家庭用のWi-Fiルーターで使われるのは、「a・g・n・ac・新規格のax」の5種類だ。

このアルファベットの小文字は「a」なら5GHz、「g」なら2.4GHzと、基本的には使用する周波数帯を表している。「ac」は5GHzの進化形で、「n」は2.4GHzも5GHzもどちらもOKとなる。

たとえば5GHzは障害物に弱く、2.4GHzの電波は比較的遠くまで届くなど、それぞれに特徴があるので、その長所と短所を表にまとめるとこうなる。

5GHz帯域 長所 この周波数帯域を使う電子機器が少ないため、電波干渉がほとんどなく、安定した通信ができる。
短所 家の中の壁などの障害物に弱く、電波が遠くまで届きにくい。
2.4GHz帯域 長所 家の中の壁などの障害物があっても、比較的遠くまで電波が届く。
短所 電子レンジやコードレス電話・Bluetoothなどの電子機器と電波干渉を起こしやすい。

現在市販されているWi-Fiルーターのほとんどが、「通信規格:IEEE 802.11ac/n/g/b/a」に対応しているので、チェックしてみよう。もちろん、古い型のものや安価なものは対応していない場合もある。ちなみに、モバイルルーターには2.4GHz帯のみしか対応しないものもあるので注意が必要だ。

動画配信などを行う場合は有線LANのスピードチェックを行ったほうが良い

Wi-Fiを快適スピードで使いたい人は、「有線LANのスピード」をチェックしておきたい。

モデムとWi-FiルーターはLANケーブルというものでつなぐのだが、この部分の速度が実はこのLANケーブルが高速通信に対応しておらず、結果的にボトルネックとなった状態で高速通信対応のWi-Fiが本来のポテンシャルを引き出せていない事がよくあるのだ。

本来の高速通信ポテンシャルを発揮するには、LANケーブルもそれに伴ったものでなければならない。

パッケージに「1000BASE-T対応」「1Gbps対応」、あるいはケーブルのどこかにCAT5E(CATはカテゴリーの略)と書かれているか、CAT6などと6以上の数字が書いてあるものを選ぼう。カテゴリー5(CAT5)は高速通信には対応していないので気をつけよう。